加齢臭の原因とは?運動不足など意外な生活習慣がニオイの元に!
自分のニオイってとっても気になるものですよね。なかなか面と向かって指摘しづらいですから、周囲の人のちょっとしたしぐさで、「もしかして私って臭ってる!?」なんて不安になってしまうことは、多くの人にとって身に覚えのあることなのではないでしょうか。
特に加齢臭は、汗をかいたときや臭いの強いものを食べたときのような一時的なニオイと違って、かなり気にしている人も多いはず。ぜひとも、有効な対策を取りたいものですよね。
そのためには、加齢臭の原因をきちんと理解しておくことが必要です。加齢臭といっても単に年齢だけが原因になるわけではないんです。なぜ加齢臭が発生するのか、この機会にきちんと知っておきましょう!
加齢臭のメカニズムとは!?ニオイの原因「ノネナール」って何?
ではさっそく、加齢臭の原因についてお話していきます。加齢臭の原因になるのは「ノネナール」という物質なのですが、これって一体どんなものなのでしょうか?まずはその辺りを中心に、加齢臭のメカニズムについてご紹介します。
若い人の体臭とは異なる「加齢臭」
体臭がするのは、中高年の方々に限ったことではありません。しかし、若い人の体臭と加齢臭の間には、大きな違いがあります。
若い人の体臭は、汗に皮膚の表面にいる雑菌や常在菌が繁殖することで発生することも多く、この臭いはシャワーで汗を流せば解消されます。
また、若い人でも中高年と同じメカニズムで体臭が生まれることもありますが、若い人の皮脂は中高年のそれとは質が異なるため、加齢臭のようなニオイはしないのです。
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若い人と中高年の人たちとのニオイで決定的に異なるのが、「ノネナール」という物質の有無です。
そして、このノネナールこそが、加齢臭の原因になっているものなのです。
ノネナールとは?
ノネナールは、1999年に資生堂の研究によって発見されました。実は、このノネナールが元となる中高年特有の体臭を「加齢臭」と命名したのも、資生堂なんですよ。
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そんなノネナールの大元となる9-ヘキサデセン酸は、若い人の皮脂にはとても少ないため、体臭がすることはあっても加齢臭にはならないというわけなのです。
脂質が酸化することがそもそもの原因!
酸化には、活性酸素というものが関わっています。人体には活性酸素が増えすぎないようにする働きがありますが、その働きが歳とともに衰えていくと、活性酸素が多くなりすぎてしまいます。
つまり、歳を取ると体内で酸化が起こりやすくなることも、加齢臭が発生しやすくなる要因のひとつなのです。
ノネナールなんていう物質が、加齢臭の原因だったのかい!?若い人にはない脂肪酸や活性酸素が中年になると増えてくるとは残念だな~。
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不適切な生活習慣がノネナールを増やして加齢臭の原因になる!
ノネナールという物質が加齢臭の原因であることや、ノネナールの生成には中高年になると増える脂肪酸などの酸化が元になっていることをお話しました。でも、ちょっと漠然としていて分かりにくく感じた方もいらっしゃるかもしれません。
ここからは、お話してきたメカニズムが、具体的にはどのようなことで起きるのかを見ていきましょう。
加齢臭の原因になる生活習慣
繰り返しになりますが、加齢臭の原因物質ノネナールは、体内の脂肪酸の酸化によって発生します。そして、酸化には活性酸素がかかわっています。
活性酸素が増える原因には加齢以外にも様々なものがありますが、以下のような生活習慣も大きく影響しています。
- 偏った食事
- タバコや過度の飲酒
- 運動不足
- 睡眠不足
- ストレス
では、順に詳しく見ていきましょう。
加齢臭の原因となる食生活
以下のような食品や食生活は、体内の活性酸素を増やし、加齢臭の原因となってしまいます。
- 脂質や糖質の多い食材
- お肉中心の食生活
- インスタント食品や加工食品
思い当たる節がある方は、これらの食材を減らし、活性酸素を減らす効果のあるビタミンを意識して摂りましょう。具体的には、緑黄色野菜や海藻、キノコ類などをバランスよく食べることが大切です。
飲酒喫煙は控えよう
お酒を飲むと、肝臓でアルコールが分解されますが、そのときにも活性酸素が発生します。
お酒に弱い体質の人が飲むと、アルコールの分解に時間がかかるため、活性酸素がたくさん発生してしまいます。お酒に強い体質であっても、飲酒量が多ければ体内の活性酸素は多くなります。
また、タバコも加齢臭の大きな原因になります。タバコに含まれる有害物質は、体内を激しく酸化させてしまいます。加齢臭が気になるならば、まず禁煙や減煙を目指すことをおすすめします。
運動不足も加齢臭を引き起こす!
運動不足の人は代謝が悪くなっており、体内に脂肪が蓄積されやすい状態です。ということは、ノネナールを作る過酸化脂質も体内にたくさんあるということです。したがって、運動不足も加齢臭の一因と言えるのです。
とはいえ、運動不足を解消しようとして激しい運動をすると、急激に呼吸や心拍数が増えてしまい、かえって活性酸素を増やすことになってしまいます。
ですから、ウォーキングやアクアビクスなど、人と会話しながら行える程度の軽い運動がおすすめです。
睡眠不足もニオイの元!
意外かもしれませんが、睡眠不足も加齢臭の原因のひとつなんです。というのは、睡眠が足りないと、体内の老化が進み、コレステロールや活性酸素も増加してしまうからです。
コレステロールは脂質ですから、これが多ければ脂肪酸も増え、ノネナールも増えるというわけなのです。健康診断で、コレステロール値や生活習慣病のリスクを指摘されたことがある方は要注意です。
生活習慣病は睡眠不足によって悪化することも分かっていますし、生活習慣病と加齢臭にも関連があります。忙しい毎日の中で睡眠時間を確保するのは大変ですが、少しでも多く眠ることで生活習慣病の改善になるだけでなく、気になる加齢臭も軽減できます。
ストレスは大敵!
ストレスを感じると、それに対抗するために副腎皮質ホルモンが分泌されます。そして、ストレスが緩和されると、使われなかった分は肝臓で分解されます。こうして副腎皮質ホルモンが分泌されるとき、そして分解されるとき、どちらも活性酸素が生まれます。
また、ストレスを感じると血流が悪くなり、それを改善するためにも活性酸素が産出されます。
洋服にも要注意!
ここまでお話してきた生活習慣とは少し異なりますが、実は洋服が加齢臭の一因になっていることもあるので気をつけなければなりません。
ノネナールは洋服にも付着しますし自然には消えないので、ノネナールがついた服をそのまま再び着れば、いくら身体をきれいに洗っていても当然加齢臭が漂ってしまいます。かといって、普通に洗濯しても、ノネナールが落とし切れるというわけでもないのです。
つまり、毎回洗濯していても、服が原因で加齢臭がしてしまうこともあり得るのです。服に付いた加齢臭対策については、こちらの記事をお読みくださいね→服についた加齢臭の落とし方をご紹介!普通の洗剤では消せない!?
でも、こんな普通の毎日が、総じて加齢臭の原因になっているとは知らなかったなあ。
タバコのにおいで加齢臭をごまかせると思ってたけど、逆効果だったか…!ガビーン!
食事や運動などの生活習慣を改善すれば加齢臭も撃退可能!
つまり、脂質の多い食事や、運動や睡眠の不足、ストレスなど活性酸素を増やす生活習慣こそが、加齢臭の原因というわけなのです。
というわけで、ニオイを気にする一方で、中高年になれば加齢臭がするのは仕方ないとあきらめていた方でも、生活習慣を改善することで加齢臭を軽減することが可能なんです。
自らの健康のためにも、臭いで人知れず周囲を不快にさせないためにも、まずはこの原因について知っておいてくださいね!
要するに、歳を取るとそれまでなかった脂肪酸がたまりやすくなること、そして、身体の自浄作用が衰えてきて活性酸素が増え、脂肪が酸化するせいで加齢臭となるんです。
活性酸素は、正常な細胞を傷つけてガンなどの病気になりやすくなったり、老化の原因になったりするなど、様々な不調の原因になります。加齢臭も、そのうちのひとつと言えますね。