ドライマウスにはこんな対策を!自分に合った改善法を選ぼう!
ドライマウスは口の乾燥のみならず、口臭や虫歯など様々なお口の不調が生じてしまう状態です。しかも、それだけではなく、悪化すれば身体的な病気にまでつながりかねません(症状について詳しくはこちら!→ドライマウスの症状は乾燥だけじゃない!口臭や虫歯も関係する!?)。
したがって、ドライマウスを早めに改善すべく、適切な対策を取る必要があります。でも、どのような対策があるのかよく分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、手軽にできるセルフケアから歯科医院での専門的な治療まで、ドライマウスの対策をじっくりとご紹介します。ご自分の希望やお口の状態に合った対策を見つけてみてくださいね!
口の渇きを感じたらコレ!まずやるべきカンタンな対策とは?
それでは、手軽にできるドライマウス対策から見ていきましょう。「最近、口臭が気になる」「今までより水を飲む回数が増えた」などと感じられるならば、それはドライマウスの始まりかもしれません。そんな方におススメの簡単な改善法をご紹介します。
生活習慣を改善する
意外かもしれませんが、生活習慣がドライマウスの原因になってしまうことも少なくありません。ですから、唾液を減らしてしまうような生活習慣を改善することによって、ドライマウスも良くなることが期待できるのです。
具体的には、以下のような生活習慣を心がけてみましょう。
- 柔らかいものばかり食べないようにする
- ストレスをうまく発散する
- 飲酒・喫煙は控える
噛む回数が少ないと、唾液腺が刺激されず唾液分泌が抑えられてしまいます。ですから、柔らかい食べ物をたくさん食べている人は、しっかり噛まないと飲み込めないような歯ごたえのある食材を意識して摂ると良いでしょう。
鼻呼吸をする
人間は本来、鼻で呼吸をしています。しかし、鼻ではなく口で呼吸をしてしまうと、口の中が乾燥してドライマウスとなります。したがって、口呼吸を治して鼻呼吸に戻すことも、大変有効なドライマウス対策と言えます。
鼻呼吸にするためには、口呼吸の原因を知ることが大切です。
- 風邪やアレルギーなどで鼻がつまっている
- 姿勢が悪い
- 歯並びが悪い
- 口の周りの筋力低下
これらは、口呼吸になってしまう主な要因です。しかし、思い当たる原因がないのに、何となく口呼吸が癖になってしまっているという人もいます。
したがって、まずは鼻で呼吸するよう意識してみることから始めて、姿勢や歯並びなど鼻では呼吸しづらい要因があるならそれを治していくと良いでしょう。
口の周りの筋肉を鍛える
口の周りの筋肉が衰えると、口が閉じにくくなりドライマウスの状態に陥りやすくなります。口の周りの筋肉を鍛える「口腔筋機能療法(Oral Myofunctional Therapy:MFT)」というトレーニングを行うと、口がきちんと閉じて鼻呼吸となり、ドライマウスを改善できます。
MFTにはいろんな方法があり、個人のお口の状態に合わせてトレーニング法を選ぶのですが、以下に簡単なものをご紹介しておきます。
安静にしている時や眠っている時、舌の先がスポットと呼ばれる部分に接しているのが正常です。
★図作成中★
しかし、口呼吸の人は舌の先が歯に接しているケースが多いのです。
この点を意識して、普段から舌の先をスポットに持っていくようにするだけでも、筋肉を引き締めて鼻呼吸にしていくことができます。
唾液分泌を促すマッサージをする
唾液は唾液腺から分泌されます。中でも、耳下腺・顎下腺・舌下腺は「三大唾液腺」と呼ばれ、たくさんの唾液が分泌されます。この部分を指でやさしくマッサージをすると、唾液分泌が促されてドライマウス対策ができます。
★図作成中★
①両手をほうにあててゆっくり円を描くように、前回し・後ろ回しでマッサージをします。
②親指をあごの骨の柔らかい部分にあてて、耳の下から数カ所押します。
こちらの動画も参考にしてくださいね。
それから、生活習慣の改善は本当に必須です。水を飲むなど水分補給をこまめにすることも大切ですよ。
アルコールは利尿作用が高く、逆に体内の水分を減らしてしまうので、いくら飲んでも水分補給にはなりません。ご注意くださいね。
ドライマウス対策グッズも活用してみよう!
生活習慣の改善や筋肉トレーニング、マッサージなど自分でできるドライマウスケアをご紹介してきました。これらの基本的な対策に加えてもっと頑張りたいという方には、グッズを使った対策もオススメです。
ガムを噛む
噛む回数が少ないこともドライマウスの原因であることは、すでにお伝えした通りです。つまり、噛む回数を増やすこともドライマウス対策となるわけですね。
普段の食事でよく噛むよう心掛けるのも大切ですが、ガムを噛むことで強制的に噛む回数を増やせば、ますます唾液分泌を促すことができます。
とはいえ、甘い味のガムは虫歯のリスクが高まってしまうので、避けた方が良いでしょう。キシリトールのガムがおすすめです。
ドライマウス対策を謳ったタブレットやキャンディーなども発売されていますので、お気に入りを探してみるのも良さそうですね。
テープ
いびきを改善するためのテープは、眠っている間に口を閉じさせる効果があります。「ネルネル」という商品などが有名ですよね。
このような口閉じテープを利用するのも、ドライマウス対策として有効です。ただし、これは眠っている間だけの対策ですので、これに加えて昼間は他の方法でお口の乾燥を防ぐ必要があります。
口腔ジェルや口腔スプレー
ドライマウス対策グッズとして、口腔ジェルや口腔スプレーが市販されています。
ジェルは指にとって口の中に塗り、スプレーはお口の中にシュッと吹き付けるだけで、お口の中が潤います。ドラッグストアやネット通販にて1,000円前後で入手できます。
しかし、このようなグッズは唾液の分泌そのものを促すわけではないため、一時しのぎにしかならないと言わざるを得ません。ジェルやスプレーだけに頼った対策では不十分です。
ガムは仕事中だと難しいけど、口腔ジェルやスプレーなら休憩時間に使えるネ。
妻にいびきがうるさいって言われるから、口閉じテープは一石二鳥になりそうだ!この際、試してみるかな。
歯科医院で専門的なドライマウス治療も受けられる!
自分で行う対策だけでは不安という方は、歯科医院で専門的な治療を受けることも可能です。歯科医院には、どのような治療や対策があるのかをご紹介します。
リップトレーナーなどの器具
お口の状態を診察したうえで必要に応じて、口に装着して口の周りの筋力を高めるためのリップトレーナーと呼ばれる器具や、マウスピースなどを作ってくれる歯科医院もあります。
ただし、このような器具には保険が利かないことも多いので、事前に料金などを確認しておくとよいでしょう。
人工唾液
歯科医院では、人工的に作られた唾液が処方されることがあります。
味があまり良くないため、歯科医によっては人工唾液の代わりに口腔ジェルやスプレーを販売するところもあります。
人工唾液はシェーグレン症候群などの病気によるドライマウスには保険適用されますが、生活習慣などが原因のドライマウスには保険がききません。希望すれば処方してもらうことも可能ですが、自費となるのでご注意ください。
薬物治療
歯科医では、ドライマウスの治療として、以下のような内服薬を処方することも可能です。
- 唾液分泌促進薬
- 漢方薬
唾液分泌促進薬とは、副交感神経に働きかけて唾液腺を刺激する薬を内服することで、唾液の分泌量を増やすというものです。
しかし、これもシェーグレン症候群や放射線治療後の後遺症によるドライマウスには保険適用されますが、ドライマウスのみでは保険がききません。
なので、実際には唾液分泌促進薬よりも、漢方薬の方がよく使われます。こちらは保険適用される範囲も広く、副作用も少ないというメリットがあります。しかし、生活習慣の改善も同時に心掛けながら、長期間服用する必要があります。
ただし、すべての歯科医院でドライマウスを診てもらえるわけではないので、事前に問い合わせることをオススメします。
ドライマウス外来があるところや、大学病院など大きな歯科なら間違いないでしょう。
ドライマウスの対策は生活習慣やストレスの改善が第一!
具体的に言えば、柔らかいものばかり食べずしっかり噛む習慣をつけること、ストレスをうまく解消すること、飲酒喫煙は控えることなどがドライマウスの改善には欠かせないことです。そのうえで、口腔ジェルなどのグッズを補助的に使うのも良いですね。
自分がドライマウスかどうかよく分からないという方は、歯科医院で診察を受けるのもオススメです。いずれにしても続けていくことが大切ですから、自分に合った対策をうまく見つけてくださいね。
さっそくやってみたけど、舌先をスポットにつけるだけで、唾液が出てくるのを感じたよ!これはすごいね、ヨーコちゃん!