ワキガが遺伝する確率は高い!でも人からうつることはありません
ワキガのにおいはかなり特徴があり、強いにおいがすることが多いものです。そのため、ワキガの人と一緒にいることで、自分にもワキガがうつったらどうしようと不安に思う人もいるのです。
ですが、ワキガは体質が原因でにおいが出るものであるため、ワキガがうつることはありません。それなのに、なぜワキガがうつると考えられているのでしょうか。それは、遺伝しやすいためと、ワキガそのものがうつることはなくてもにおいがうつることがあるからです。
それでは、ワキガはどれくらい遺伝するのでしょうか。また、どのような場面でにおいがうつることがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
ワキガが遺伝する確率が高いのは子どもが親から体質を引き継ぐから!
ワキガには、体質が大きく関係しています。体質は親子で似ることが多いのですが、ワキガ体質も親子で似ることが多いことがわかっています。それは、子どもが親から体質を引き継ぐからです。
では、ワキガはどれくらいの確率で遺伝するのか、なぜ遺伝する確率が高いと言えるのか、その理由から確認しましょう。
ワキガの原因
ワキガの原因は、アポクリン腺から分泌される汗です。その汗と、皮膚を守る働きを持っていて皮脂腺から分泌されている皮脂が混ざり合ったものを、皮膚の常在菌が分解し酸化させることで、独特のワキガ臭が出ます。
こちらのワキガの原因を詳しく解説した記事では、さらに詳しくワキガの原因について説明していますので、こちらでご確認ください。
ここでご紹介したアポクリン腺が、ワキガの遺伝に関わっています。
ワキガが遺伝する確率
ワキガは、以下の確率で遺伝します。
両親がワキガ | 父か母どちらかがワキガ |
---|---|
8割 | 5割 |
両親ともがワキガの場合、かなり高い確率で遺伝することがわかります。また、
両親はどちらもワキガでなくても、祖父や祖母のように血縁関係にある人がワキガだった場合、その人からワキガ体質を引き継ぐこともあります。
アポクリン腺が多くある人や、アポクリン腺の活動量が多い人のことを、ワキガ体質と言います。
ワキガ体質は優性遺伝!
なぜこんなにもワキガが遺伝する確率が高いのかと言うと、ワキガ体質は優性遺伝、つまり遺伝しやすい性質だからです。
例えば父親からワキガ体質になる性質を、母親からワキガ体質ではない性質を受け継いだとしたら、優性遺伝であるワキガ体質の方が出るので、子どもはワキガ体質になるということです。
自分がワキガ体質かどうか気になる場合、ワキガのセルフチェック法をご紹介したこちらの記事をご覧になって、試してみてください。
ワキガに関係しているのはアポクリン腺なのでワキガはうつりません
ワキガのにおいはかなり独特なので、側にいることでワキガがうつってしまうのではないかと心配する人もいます。
脇の下がにおうけど、これってワキガのにおい…?と気になる方は、こちらのワキガのにおいの特徴についての詳細をまとめた記事をご確認ください。ワキガのにおいかどうかを、判断しやすくなりますよ。
では、ワキガはうつるのかという疑問に戻りますが、結論から言えば、ワキガがうつることはありません。
では、なぜそう言えるのか、確認しましょう。
ワキガは体質の問題なのでうつらない!
先ほど、ワキガには体質がかかわっていることを関係しました。ワキガの人の側にいることで体質が変わることはありませんので、ワキガそのものがうつることはありません。ワキガ体質かどうかは、生まれながらに決まっていますので、後から変わるということはないんですね。
ただし、思春期になってホルモンの分泌量が増えることがきっかけで、ワキガ臭が出始めることはあります。
また、アポクリン腺の活動量に関しては、食生活やストレスなどの影響を受けるため、生活習慣が原因でにおいが強くなることもありますので、軽いワキガであまり臭いを感じなかった人の場合、急にワキガになったように感じることもありえます。
このように、成長したり生活習慣が影響したりの理由でワキガ臭が急に出始めることもありますが、それは人からうつったのが理由というわけではないということですね。
においが一時的にうつることでワキガになったと勘違いすることも
ワキガはうつらないのに、なぜうつったと勘違いされることがあるのでしょうか。
では、なぜにおいが移ってしまうのでしょうか。また、身近な生活の中でどのような場面でうつるのでしょうか。この後、確認したいと思います。
においが強いだけに、どうしてもうるつんじゃないかという気がしてしまうんだけど、それは心配ないってことだね。
ですが、ワキガがうつるかもしれないという不安を抱えている人がいるのには理由があって、ワキガ体質はうつらなくてもワキガのにおいがうつることならありえるんですよ。
ワキガのにおいが一時的にうつる?原因は細菌やタンパク質!
それでは、なぜワキガのにおいが移ってワキガではない人からもワキガのにおいがするのか、どのような場面でうつるのか、詳しく見ていきましょう。
ワキガのにおいがうつる理由
ワキガのにおいがうつる理由は、2つあります。
- ワキガのにおいの元となる物質がうつるから
- ワキガの人に多く住んでいる種類の細菌がうつるから
例えばワキガの人から服を借りるなどした場合、その服についている物質や細菌が服を通してうつることでワキガのにおいがうつります。
ワキガのにおいの元となるのは特定の種類の脂肪酸なのですが、この脂肪酸が特定の種類のタンパク質と結び付いたものが細菌に分解されると、においが出ます。脂肪酸がタンパク質と結び付いた状態のものがうつり、その後うつった側の人の脇の下の細菌に分解されると、ワキガ臭がするということです。
そのため、すぐににおい始めるのではなく、後からワキガのにおいがすることもあると言います。
また、ワキガの人の皮膚にはジフテロイド菌と呼ばれる細菌など、ワキガのにおいを作りやすい種類の細菌が多く住んでいることがわかっています。服などを通してその細菌がうつれば、うつった人の脇からもワキガ臭がすることがあります。
ですが、これらは一時的なものなので、そのせいでワキガ体質になるということはありません。
ワキガのにおいがうつるきっかけ
それでは、ワキガのにおいがうつるのはどのような場面なのでしょうか。
いくつか例を挙げてみましょう。
- 服を貸したり借りたりする
- ワキガの人が使ったタオルを使う
- 洗濯前に衣類を一緒に置いておく
服の貸し借りをする場合、ワキガの人の脇に直接服が触れる可能性が高いですから、ワキガのにおいの元となる物質や細菌がうつります。それがワキガでない人にもうつって、においが出ます。
また、ワキガの人が使ったタオルを使うと、ワキガのにおいの元になる物質や細菌がタオルにうつっていた場合は、ワキガではない人にもうつります。
それから、洗濯をする予定の衣類を、ワキガの人ものとそうでないものを一緒にまとめて置いておいた場合、衣類同士が触れ合ってワキガに関する物質や細菌がうつることはあります。
ですが、洗濯をすること自体でにおいうつりすることはありません。洗濯前に衣類を触れ合わせないように気を付ければ大丈夫です。とはいえ、洗い方が足りなければにおいうつりがする可能性があることも否定はできません。
衣類にワキガのにおいがついてしまった場合は、衣類にかけることでワキガ臭を無臭にしてくれるというスプレーを利用するなどの方法で対処することが可能です。
そのため、ワキガの人が着た服を着ることでにおいがうつったりといったことが起こります。ですが、それはずっと続くものではありませんので、自分がワキガになったのでは…と心配することはないんですよ。
お風呂に入ったり洗濯したりといったことで、においを落すことができます。
ワキガは体質によるので遺伝することはあってもうつることはない!
ですが、服を借りしたり借りたりすることなどによって、一時的ににおいがうつることはあります。それは、ワキガのにおいに関する物質や細菌がうつるためなので、ずっと続くわけではないんですね。
そのため、ワキガの人と一緒に生活することで自分もワキガになるかもしれないといった心配はしなくてもいいというわけです。
でもまあ、自分がワキガの可能性が高いと事前にわかっていれば、その分早めに対策もできる!と前向きに考えることもできるかもしれないねえ。